交通事故が発生すると、刑事上、民事上、行政上の3つの責任が事故の加害者には科せられます。
刑事上の責任については、事故の大小や、被害者に与えた怪我の程度によって、罰金や懲役といった処分が事故の加害者には科せられます。刑事上の責任については、加害者警察などの現場検証や事情聴取に応じていれば、直接関わることなく、警察や検察で処理手続きが進んでいきます。
行政上の処理も、事故の加害者には、免許取り消しや免許の停止処分といった不利益が科せられますが、これも警察や公安委員会が手続きを進めていきますので、事故の加害者としてはその処分を待つ形になります。
交通事故の加害者が直接かかわり、一番困難を極めるのが事故の被害者との各種の交渉です。
交通事故によって怪我を負っていればその怪我の程度に合わせて、各種の補償の問題が発生します。損害賠償や示談交渉といった形で金銭上の問題が発生しますが、当然保険に入っていれば、保険から補償にかかる金額が支出されるので、金銭面では大きな安心となります。保証金額といっても、怪我の程度によって補償すべき金額もまちまちですから、保険に加入する際は、対物、対人ともに補償金額は無制限なものに加入しておくことがベストといえます。
万一、無保険であった場合は、何百万円または重症の場合であれば何千万円という補償金額を請求される場合もあり、とても実費では補償しきれないといった事態に陥ることもあるので保険には絶対に入っておく必要があります。
また、事故の相手方との補償に関する話し合い等も必要になってきますが、その際にも、保険に加入しておくと保険会社が事故の被害者とのある程度の交渉をしてくれるのでその点も保険のメリットといえます。
交通事故の加害者とは話をしたくないが、第三者的な保険会社の担当や弁護士などとであれば話し合いに応じるという事故の被害者も多いので、交通事故にかかる各種の問題を迅速に処理していくという点でも保険に加入しておくことは大切だといえます。
また、示談交渉等の場面においては、たびたび金銭上のトラブル等が発生します。
保険会社の担当に全て任せておくだけでは万全とは言えません。可能であれば事故が発生した当初から交通事故問題に精通した弁護士に依頼してその都度適切なアドバイスを受けながら交通事故の様々な問題を処理していくことが後のトラブルを防止するという点ではベストと言えます。