物損事故のような交通事故において、被害者の車が使用できなくなった場合、修理に出したり、買い替えをして新しい車が納車されるまでの間に、代車を頼むケースがあります。
この代車にかかる費用は、車両使用不能時期に生じた損害ということになり、被害者は、加害者に、損害賠償を請求することができます。
しかしながら、代車が必ずしも必要ではないケースまで賠償することはありませんし、代車を借りている期間や、代車のグレードなども、損害賠償として争いになることがあります。
物損事故に限らず、交通事故の場合は過失割合があります。
一方的な交通事故の場合は、100:0という過失割合になることがありますが、仮に80:20というような過失割合の物損事故であっても、被害者は代車使用料を請求することができるのです。
ですが、被害者が通勤時に使用しているだけの車であるような場合は、車がなくてもバスや電車などの公共交通機関を使用することもできるわけですから、代車使用料を請求しても認められないケースもあります。
また、代車のグレードについても、どの程度まで認めるかという点で争いがあります。
仮に、交通事故の被害者が高級車に乗っていたとしても、代車に同じグレードを使用することを認めるかというと、そうならないケースがほとんどでしょう。
また、代車の使用日数によっても使用料は変わります。
他に、物損事故のような交通事故において、被害者の車が使用できなくなった場合における、車両使用不能時期に生じた損害として多いものに、休車損害があります。
物損事故のような交通事故で、被害者の車が営業車両であった場合、修理や買い替えをしている期間は営業ができなくなるため、その期間に損害が発生することになります。
たとえば、タクシーやトラックなどであれば、休車損害が発生するわけです。
物損事故として車に生じた損害だけではなく、営業していたら得ていたであろう利益についても損害賠償を請求することができるわけです。
ただし、休車損害についても、すべてのケースで認められるわけではありません。
タクシーといっても会社にある別の車を使うことができるかもしれません。
また、どの程度の逸失利益があったのかという金額の算出も単純には行かないケースもあります。
休車損害についても一般的な額を算定する計算式はあるのですが、営業形態や会社組織によって休業損害はさまざまなケースが考えられます。
このように、物損事故のような交通事故において、代車使用料や休車損害額については、交通事故直後に発生することですから、早めに弁護士へ相談することが必要です。
保険会社が設定した基準をそのまま受け入れてしまうと、不当に低い条件になってしまうこともあります。
弁護士であれば、過去の判例などと照らし合わせながら、個別な事情を考慮し、適切な対処をすることができます。
また、弁護士は交渉のプロでもあり、保険会社も、被害者と交渉する際とは対応が変わります。
物損事故などの交通事故の被害者として、正当な権利を主張し、適正な損害賠償を得るためにも弁護士に相談してください。
弁護士ならだれでもよいわけではありません。
神戸ライズ法律事務所は交通事故に実績のある弁護士です。まずはお気軽に相談するようにしてください。